3-PBL課題解決プログラム

【REPORT】障害を価値に変えるバリアバリューの理念/株式会社ミライロ

5月30日(火)に「3-PBL課題解決プログラム」の一つ「社会の課題」について学ぶグループワークと人事交流会を行いました。今回講師としてお越し下さったのは「バリア(障害)をバリュー(価値)に変える」が企業理念の株式会社ミライロさま。ミライロさまはユニバーサルデザインを提唱し、様々な企業等と連携。ソーシャルビジネスによって活動するいま注目のソーシャルイノベーション企業です。当日は人事部長の堀川歩さまが講義され、ミライロ社の成り立ちや事業内容、そして取組む社会課題について解説してくださいました。その後、グループに分かれた学生たちがLGBTや変革をもたらすことなどを議論。提案や意見の発表を行いました。また、講義終了後はミライロ社に入社した理由や会社が望む人物像などについて堀川さまをはじめ、広報部の方がお話し下さいました。
※当日の内容については参加したミライシップ卒業生の永井駿希さん(駒澤大学法学部在学)が以下にレポートをまとめています。

・株式会社ミライロ http://www.mirairo.co.jp


REPORT

Miraishipの醍醐味の一つ「出会い」の分野である「人事交流会」。そして多様な課題の解決方法を学ぶ「3-PBL課題解決プログラム」。今回はNEWS ZEROなど様々なメディアで話題の株式会社ミライロの堀川歩人事部長を迎えて、障害を”価値”と捉える「バリアバリュー」の未来についてご教示賜りました(執筆:永井駿希/駒澤大学法学部)

<堀川歩さまプロフィール>
株式会社ミライロ 人事部部長/日本ユニバーサルマナー協会 講師
1990年大阪府出身。心は男・身体は女として生を授かる。幼少の頃から男の子が好むような服装や遊びを好んで育つ。高校卒業後は陸上自衛隊に入隊するが、性別の事が関与して条件付き採用に切り替わる。自衛隊任期終了後はLGBTの人々の総合サポート事業を立ち上げ、株式会社ミライロの人事部長としてユニバーサルデザインな働き方ができる環境づくりに尽力している。
*略歴*
2008年 陸上自衛隊 入隊
2013年 Allabout コラムニスト 認定
2014年 株式会社ミライロ 入社
2016年 同社人事部 部長 就任

それではレポートを上げたいと思いますが、今回は様々なキーワードが出てきたのでそれらを紹介する形でまとめます。早速ですが皆さんは「ユニバーサルデザイン」という考え方はご存知でしょうか?

▶︎ユニバーサルデザインについて
「ユニバーサルデザイン」とは文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異や障害、能力の如何を問わずに利用可能な施設や製品、情報などのデザインのこと。日本は特に早いスピードで高齢化社会が進んでいることもあり、暮らしやすい社会を実現するために重要と言われている。また、デザインの対象者を障害者に限定していないところが一般に言われる「バリアフリー」とは異なる点です。そして、ミライロではユニバーサルデザインな社会を実現するために次の考えを掲げています。

▶︎「バリアバリュー」という考え
「バリアフリー」とは、読んで字のごとく「障害を取り除く」という意味ですが、株式会社ミライロの代表取締役社長 垣内氏の言葉を引用すると”人それぞれが持つ経験や視点、感性は、それが必ず強みになる”というように障害は克服すべきもの、取り除くべきものは無く、「強み」であると定義づけられています。そしてその「強み」は「価値(=バリュー)」であり、ミライロでは従来のバリアフリーといった考え方からバリア”バリュー”といった考え方が当たり前になる社会の実現を目指されています。これは障害の有無によって環境を変えるといった概念を根本から覆す、障害そのものを「価値」と捉えるとても素敵な考え方です。しかし、このような考え方はまだまだ一般的ではありません。そこでミライロは”日本をUD(ユニバーサルデザイン)先進国へ”といったビジョンを掲げています。なかでも暮らしの在り方=「ハード」の変革、そして障害者と触れ合う機会やサポート方法を提案する「ハート」の変革を2つの軸としています。

▶︎ハートのUD改革~ユニバーサルマナー検定~
自分とは違う他者の視点に立ち、適切な理解のもとに行動するためのマナー「ユニバーサルマナー」の理解と定着を目的とした検定事業です(※発行・認証機関は一般財団法人日本ユニバーサルマナー協会)。これは講義や演習問題、そして実技研修を盛り込んだカリキュラムで、三井住友銀行を始めとした大手企業などで導入が進められています。
※ユニバーサルマナー検定→[ http://www.universal-manners.jp ]

何ごとも「ハード」を変えるには時間がかかりますが、人の「ハート」は今すぐにでも変えることができます。それでは心に変化が起こった私たちが次に起こすべき行動にはどんな選択肢があるのでしょうか?

▶︎みんなで「未来」をデザインする。~Bmaps~
Bmaps(ビーマップ)は、誰もが気軽にお店などのバリアフリー情報を投稿・閲覧できる地図アプリです。お店における入口の段差の数や、補助犬の受け入れ体制など、21種類の項目がワンタッチで入力できます。また、Wi-Fiやコンセントの有無など、障害者に限らず多くの方にとって便利な情報が掲載されており障害の有無に関わらずみんなで「未来」をデザインする取り組みです。

※詳細URL→[ https://bmaps.world/ ]
※Bmapsプレスリリース http://www.mirairo.co.jp/news_list/7391

ここまでは「ハート」を軸にお話しを展開してきましたが、最後は「ハード」の部分。人々の心に変革をもたらした後は、環境にも変化をもたらさなければなりません。そしてその手段として慈善活動ではなく「ビジネス」として、事業を存続させることが必要だと堀川氏は言います。

▶︎社会問題を”ビジネス”で解決する
超高齢化が進む日本においては、障害者や高齢者の視点を取り入れ、多様な方が利用することを想定したデザインが求められます。ミライロでは、障害のある当事者が実際にコンサルティングを行うことで顧客に適したソリューションを提供しており、実際に長崎のテーマパーク施設ハウステンボスでは、ミライロスタッフによる現地調査によって改善策がまとめられ、今後のテーマパークづくりの指針として取り入れられました。このようにビジネスとしての事業存続。今回はハウステンボスの事例をご紹介されましたが、その他にも宿泊施設や結婚式場、建築や行政に至るまで様々な事業でのUD化に努められています。

株式会社ミライロ事業紹介ページ→http://www.mirairo.co.jp/portfolio
*「私の行けたが明日の誰かの地図になる。」Bmapsアプリダウンロード
・Andoroid版:https://play.google.com/store/apps/details?id=world.bmaps.app
・ios版:https://itunes.apple.com/jp/app/bmaps/id1088807625
・Web版:https://bmaps.world/login

▶︎まとめ。「ハート」にバリューを
今回の講義を通して私が一番心に残ったのは”心”体に自信を持つことです。実は今回の講義に際してミライロ様から参考資料としてパンフレットやフライヤーを頂いたのですが、これらを作成されたのは”身”体に障害のある方々です。例えば私にこのような広告作成が必要であった場合「PCの勉強をして…」という風に「作業」ベースで物事を捉えてしまいます。そしてだんだんと「めんどくさい」と思うようになり、もしかしたら途中で辞めてしまうかもしれません。しかし、堀川様を始めとしたミライロの方々は「想い」ベースで行動して事を成し遂げます。身体にハンディを負っているからと言ってそれを言い訳にはしないのです。なぜなら、彼ら自身がそのハンディを”バリュー”と捉えているからです。できない言い訳をしない。こうした方たちは身体だけでなく、実は心も豊かな方々だと思いました。だから、もし、こういった方々に対して間違ったバイアスを持っている方がいらっしゃいましたらそれは今すぐにでも捨ててしまいましょう。本当の意味で心身ともに強い人間になるために。

<執筆者プロフィール>

永井 駿希(ながい としき)/駒澤大学 法学部 3年生
1995年福岡県大野城市生まれ。MiraiShipのインターンでコンシューマ営業を経験した後にマネージャーとして全体統括を担う。現在はdip株式会社のインターンに参加して法人営業と新規事業の拡大を担当している。
twitter:https://twitter.com/toship1012
facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100008939495142

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