実務家リアル講義

【REPORT】社会人になる前に知っておくべきこと

REPORT

ミライシップでは様々な企業で働く社会人の方たちに講義をしていただく時間があります。今回は株式会社LITALICOに勤めながらもコーチングを行い、大学や企業で講演をしたりメールマガジンの発行を行なったりしている久米和輝さんに、仕事と遊びの目標設定や社会人としての生き方などについてお話しいただきました(執筆:深野 優斗/青山学院大学 経営学部 2年)


1. 久米和輝さんについて

東京国際大学人間社会学部卒業後、株式会社LITALICOに入社。現在はマーケティングコミュニケーション部で家族支援を主に行う傍、大学生へのキャリア教育やコーチングを行なっています。また、メールマガジンやブログでは人生設計やワークライフバランスについての発信なども行なっています。

2. 講義の内容

~自己紹介~
久米さんの講義は印象的な自己紹介から始まりました。スクリーンには旅先での絶景、パラグライダーからの景色、サップヨガ(パドルボードの上で、水の上に浮かんで行うヨガ)の写真が映し出されました。ここから私は久米さんのイメージを「社会人なのに自由そう」「旅が好きそう」と感じました。久米さんは企業に勤めつつも自由で、誰にもコントロールされない人生を送っています。「しなきゃいけない」は取っ払うことが大切だとお話しされていました。

~ターニングポイント~
久米さんは幼い頃から学校で学んだことは将来何の役に立つのか?という疑問を抱いていたそうです。先生に聞いても納得できる回答は返って来ません。そして中学生の時に人生の転機がやってきます。なんと合唱コンクールの当日に「色々な世界が見たい!」と考えて家出をしたのです。そして、出先ではたくさんの発見や人の優しさに触れたそうです。しかし、当然親は心配して警察に連絡。久米少年は保護されます。そして、しばらく警察署で待っていると母親が迎えに来ました。この時に「怒鳴られるに違いない!」と震えたそうですが、母親は「あんたにこんなことができると思わなかったよ!でも周りの人に迷惑をかけちゃいけないよ」と声を掛けました。この出来事が久米さんの人生のターニングポイントになりました。

~社会人とは~
久米さんは教育に関する仕事に就き、人の幸せに貢献できる大人になりたいと考えるようになりました。しかし大学で中高の教員免許を取得し、教育実習を経て教員として働くことを現実的に考えるようになった時に、「教えることが全て決められている画一的な教育を子供たちに提供することが本当に自分のやりたいことなのか…?」という疑問を抱いたそうです。そこで学校での教員になることは辞め、教育事業を展開する民間のベンチャー企業に入社しました。入社後はフリースクールの教師として、「みんな同じでなければいけない」という画一的な学校教育に適応できずに、生きづらさを抱えている子供たちにオーダーメイドで授業を作り、1人1人の個性や強みを伸ばす教育を提供していきました。しかし、仕事に充実感を感じるものの、いつか「なぜ働いているのか?」「会社のビジョンはあるけど自分の人生のビジョンはないかもしれない?」と考えるようになったそうです。そこで、久米さんはわかったそうです。それは社会人とは「会社や社会から与えられたミッションを自分の使命だと勘違いした状態」であるということを。人は人生のほとんどを働く社会人として過ごしていいます。そこで久米さんは「周りの人を社会人のまま人生を終えさせずに卒業させる」というビジョンを掲げました。それは自分の人生のビジョンを持つことで自分の欲求を満たすだけの生き方や生活の維持のためだけの働き方である「Riceステージ」から脱出し、人生の意味や目的を求める生き方で周りに喜ばれる生きがい溢れる働き方である「Lifeステージ」で生活することに変化させることでした。

~ワークショップ~
さて、お話しを聞いた後に、価値を創造する体験のワークショップをさせていただきました。このように実際に学んだことをすぐにアウトプットすることは知識が身につく良い機会です。今回は「自分の通っている大学の問題点」についてディスカッションしました。手順は以下の通りです。

①大学の問題点をポストイットに書く(時間内に出来るだけ多く)
②ポストイットに書いた問題点をジャンルごとに分類する。
③最も問題だと考えるジャンルを選んでテーマを決める。
④テーマに沿って③で選んだジャンルの中で最も問題だと思うのを一つ選んで原因と改善策を考える。
⑤紙に考えをまとめてプレゼンテーションをする。

2つのグループでこの手順を行い、ジャンルは「授業について」、そこからテーマを『大学の授業に5000円の価値を持たせるには?』とし、それぞれディスカッションしました。
グループAは、授業の内容や教授についての情報が少ないことが原因で自分の取りたい授業が分からないことが問題であり、自分が受けたい授業内容や教授ならば5000円の価値を持たすことができるという結論に至りました。そのために口コミやレビュー、先生の自己紹介が載っているサイトを作ったり、生徒の数によって教授の給料が変化する歩合制にしたりするという改善策をプレゼンテーションしました。
また、グループBは、興味のない授業の強制履修が問題だと考えました。改善策として、群システムの消滅、授業のカテゴリーの幅を広げる、アンケートで教授の切り捨て、いつでも授業変更可能の4つの改善策を提案しました。

3. 最後に

久米さんの働き方や人生のビジョンはとても魅力的で、これから社会人として生きていく上で参考にすべきことだと思いました。一般的に人は仕事や勉強、睡眠、食事などの時間を抜くと自分の時間をだいたい7時間持っていると言われています。だからその7時間の使い方が人生を大きく変えます。この時間を有効活用し、自分の看板でどんな仕事をするかで自分に価値を持たせることができる。実際に久米さんはこの時間をブログやメルマガの発行、講演などに使っています。私もこの7時間をどのように使っていくべきなのか考えなければならないと思いました。そして、日々の過ごし方や考え方を見つめ直すことができ、アウトプットの大切さを学びました。

 

<執筆者プロフィール>

深野 優斗(ふかの ゆうと)/ 青山学院大学 経営学部 2年
1998年、神奈川県横浜市出身 /ミライシップ15期生 / 将来にやりたいことを模索していたところミライシップの存在を知って参加。現在は様々なワークに取り組み、自身の課題解決能力を向上させるよう活動している。

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