3-PBL課題解決プログラム

【REPORT】企業PBL@「コミュニティを繋ぐカフェを提案!」(2018.6-7)

REPORT

ミライシップには課題解決能力を身につける「3-PBL課題解決プログラム」があります。今回はインターンシップの集大成として、人と人をつなぐ様々なカフェをプロデュースしている株式会社WAT様(本社:中目黒)へ企画提案を行いました(執筆:原澤 那実/青山学院大学 経営学部 2年)

カフェを経営するとは…?

カフェはこだわりの豆の香りに包まれ、至福の時間を過ごせる最高の憩いの場です。そして、様々な人たちが交流を楽しみ、自分の視野を広げられるところでもあります。そんな身近なカフェですが、近年は似通ったコンセプトの店が溢れています。ただ、食事が美味しい、品質が良い、だけでは魅力をつくることが難しくなっています。だからこそ、他店には真似できないようなオリジナルの商品やサービス、『カフェ×◯◯』といった掛け合わせたが差別化のカギとなります。そのコンセプトを元にイニシャルコスト(開業資金等)や人件費、材料費などのランニングコスト(維持費用等)、店のコンセプトに沿った内装や空間づくり、メニュー、Wi-Fiなどのサービスを決めます。そうした様々な組み合わせがカフェの魅力をつくります。

自分たちがワクワクするような企画をつくろう!~オリエンから合宿での構想へ~

CAFE&HALL ours@大崎

活動のキックオフは6月11日。WAT様がプロデュースした大崎の「CAFE&HALL ours」からはじまりました。ここは北品川にあって、周囲には新しい高層マンションが立ち並んでいます。この地域は再開発の進んだ街で、地域コミュニティを育てる場所として、地域を開発する人たちの想いとともに開業しました。
この場所でWAT様から与えられた課題は「理想のコミュニティカフェを提案せよ!」というもの。カフェには様々な人が来ますが、面識のない人たちが自然と交流することはあまりありません。でも、地域の繋がりが求められる現代においては、人と人がつながる場所が必要です。それを実現できるカフェを考えて提案してくださいというものでした。
そこで、今回参加した14期生たちは3つのクラスへ分かれて、各々提案を行うことになりました。私たちのクラスは、実現性や提供するサービス、経営面を第一に考慮しました。そして、アイディアを絞りに絞った結果、『カフェ×旅行』のコンセプトを考えました。背景にはチームメンバーはみんなが旅行好きで、自ら行ってみたい、とても興味深いワクワクするコンセプトだと感じたからです。また、旅行に行きたいと思っている人は世の中に常に7割は存在するという数字もあります。にもかかわらず、「旅行カフェ」というものはほとんどありません。私たちはその可能性に目をつけたのです。

高尾の森ワクワクビレッジにて

この計画をよりしっかりとしたものへ作り上げるために合宿がありました。場所は八王子にある「高尾の森ワクワクビレッジ」です。ここで1泊2日の缶詰めになって、夜通しアイディアを考えました。
旅行カフェの特徴は、ある場所へ行きたい人(教えられる側)と、そこへ行ったことのある人(教える側)を繋げることです。教える側は教えた人数によってポイントが貯まってカフェ料金が割引されたり、店内には多くの旅行ガイドやお客さんの書いた旅行体験記を自由に読めるスペースもあります。また、客の情報をデータベース化し、旅行代理店に提供するシステムを考え、ビジネスの幅を広げるようにもしました。これを検討する際に注意した点にはカフェの利益率もあります。一般的に飲食店の利益率は10%以上になると採算が取れると言われています。私たちのカフェは利益率が25%になる計算なのでそこにもワクワク感が生まれました。その結果、チーム全体のテンションも上がり、好きな旅行も絡むので頭も抜群に回転。朝まで議論が続きました。

表情と資料が大切!〜プレゼンテーション〜

プレゼンテーションとは「プレゼント」です。相手に喜ばれるような、惹きつけられるようなプレゼンこそが、時間を割いて聞いてくれた相手への感謝の気持ちではないでしょうか。合宿では「中間プレゼン」と「まとめのプレゼン」の二回の発表機会がありましたが、メンターたちからのフィードバックで以下のことを学びました。

・身振り、手振り、問い掛けをする楽しませるプレゼン
・詰め込むよりも、端的に意図の伝わる内容
・時間配分
・理解の90%は視覚から。ワクワクする資料づくり
・点だけでなく、線でつなぐストーリーテリング

そして、プレゼンテーション本番です。株式会社WATディレクターで一級建築士でもある樋口康太郎様へ向けてプレゼンを行いました。私たちは2番目の発表です。中間プレゼンで指摘を受けた所を修正し、さらに聴衆の興味を惹くように話しました。

また、プレゼンでは他チームの発表も見ることができましたが、話し方で一番刺激を受けたのは『カフェ×映画』を提案したチームでした。コンセプトは、「知ろう、新しい世界。伝えよう、愛すべき世界。」というもので、映画をテーマにして多世代間のコミュニケーションを図るというもの。自分はこのグループには他が持ち合わせていない“説得力”を感じました。それは、内容の物語性と彼らのカフェを売ろうと、なりきる態度が関係していると思います。楽しそうに話す姿や、聞いている側への質問やそれに対する同意などがあり、プレゼンする側と聞く側が一体感に包まれるものでした。
また、資料づくりで一番刺激を受けたのは『カフェ×昔遊び』を提案したグループです。このグループは「世代を超えての交流」をコンセプトにし、平成世代の自分たちと馴染みがない昭和の文化を教えることで刺激を受けてもらうカフェを提案しました。バブル時代を彷彿とさせる奇抜な色彩やアニメーションの多用、それでいてフォントも見やすくて面白い。その場の全員が釘付けにされ、終始笑顔で聞いていました。このように、同期のプレゼンからも学ぶことがたくさんあることが、このPBLのもう一つの勉強でもあったのだと感じました。

企業PBLを終えて~学びと自己分析~

企業への提案を実際にしてみて、ビジネスは想像よりもはるかに頭を使うということを学びました。それは自分が神経を集中させて考え出したアイディアをふるいにかけ、粗い点や弱点を見つけ、さらに磨いたり他の要素と掛け合わせたり。より価値のあるものを追求し続けることが大切なことを知ったからです。自分は「一つのことを考え続けられる力を知りたい」と強く思って合宿に参加しました。しかし、アイディアが尽きるとすぐにメンターにアドバイスや打開策を求めてしまう自分がいたり、チームの誰かが動いてくれるだろうと仲間に頼ってしまう甘い自分がありました。結果を出すには一人一人の貢献が必要です。そのためにはまずは人が動いてくれるとは思わずに自分から発信すること。また自分の発言に責任を持たなくてはいけないことを強く学びました。

今回のPBLではクラスの仲間と朝方まで熱く議論する貴重な経験をさせてもらいました。不思議なことに、熱くなればなるほど心の壁がどんどんなくなって打ち解けます。そしてワクワクする気持ちでこんなにも考動(考えながら動くこと)の幅が広がることを実感しました。そして、座学で勉強してきた分析方法や知識の活かし方も知りました。これまで学んできたことの集大成となる良い機会であり、心の底から楽しい活動でした。

プレゼン後にWAT樋口さまとみんなで。最後は全員が笑顔でした。

<執筆者プロフィール>

原澤 那実 (はらさわ なみ)/青山学院大学 経営学部2年
1998年、群馬県高崎市生まれ。ミライシップ14期生。社会で求められる力を知ることができ、それを学べる環境がミライシップにあることに惹かれて参加。ミライシップ卒業後は資格の取得を目指してWスクールにて勉強中。

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