REPORT
ミライシップでは企業で働く社会人や社長の方にお越し頂く講義があります。今回は大学生で起業し、いまとても注目されている女性起業家の城宝薫さんに起業に至った背景やお仕事などについてお話しいただきました(執筆:水上春奈/上智大学 法学部 3年)
1.テーブルクロスと城宝薫さん
テーブルクロスという事業は飲食店にとっては広告費を従来の広告よりも抑えられます。それは固定費の発生しない「成果報酬型」で掲載できるからです。また、飲食店利用者にとってはテーブルクロスを通じて予約をするだけで途上国の子どもたちを支援できます。それは一回の予約につき30円がNPOへ寄付されて途上国の子どもたちの給食になるからです。
※公式HP:https://tablecross.com
今回の講師であり、テーブルクロスを立ち上げた城宝薫さんは日本人の習慣に注目して、無理なく継続できる支援を可能にするこの仕組みをスタートさせました。事業を進める中では資金面や運営面など一筋縄ではいかないところもあって苦労は多かったそうです。
2.起業のきっかけ
城宝さんは幼いころから海外へ行く機会が多く、途上国に赴くこともあったそうです。そして、途上国で学校にも行けずにゴミ山で売れるものを拾って生計を立てている子どもたちの姿を目にしたことに驚いて。社会貢献のための募金活動やボランティア活動が大好きな学生になったそうです。また、高校の時にフロリダ州に親善大使として派遣されたときに現地のNPOがどのように活動資金をねん出するのかといったことを会議している現場に参加。そこでこれからの社会貢献の形について、今までのように一時的なものではなくて継続できる仕組みが大事だということに気づき、起業への意欲を高めたそうです。その後は立教大学経済学部に入学し、学生団体の運営などを経て三年生の時に起業しました。大学三年生での起業はたいへんだと思いましたが、現行の就活スケジュールから見るとタイミングは良いということも教えてくださいました。
3.大切にしていること
城宝さんはとても気さくな方です。女性起業家はまだ数が少なく、ロールモデルも少ない中、いかにして私生活と仕事を両立させるかといった課題や、新しいアイデアを思いつくための要件などについてもお話ししてくださりました。
また、自分がやりたいことは何か?そのためには何が必要か?どうやったらそれは手に入るのか?といった組み立てがとても上手な方で、普通の大学生は何となく講義を受けたり、サークル、バイトとどんどん時間に流されていますが、目的意識を持って動いて結果を出している事例として自分たちとの違いに愕然としました。また、相談する相手はやったことがある人、成功したことがある人に聞くようにしていること。雇用の面でもシングルマザーの支援活動を組み込むことなど、一貫して自分の目標に向かって動かれていました。
4.最後に
城宝さんのお話しは実際に行動されていることからとても説得力がありました。そして尊敬できる存在であると同時に自分の行動についても考えさせられました。
今回のお話しはこれからのキャリアをデザインし、目標に沿って行動する必要のある私たち大学生にとって学びの多いものでした。早速行動に取り入れていきたいと思います。
<執筆者プロフィール>
水上 春奈(みなかみ はるな)/上智大学 法学部 3年
1996年、熊本県熊本市生まれ。ミライシップ14期生。自分の進路に迷いを感じたこと、社会人になるにあたっての視野の狭さを改善したいと思いインターンに参加。ミライシップ生の活動の生産性を数字の面から管理することなどを担当している。