INTERNSHIP×大学

【INTERNSHIP×大学①】日本初の経営専門職学科は20単位のインターンシップが必修(中編)

前編では日本初のビジネス専門職学科となった経営専門職学科の特長についてお話し頂いたが、続いてインターンシップについて聞いた。(聞き手:Mirai Ship PROJECT 主宰 眞野目悠太)

-インターンシップの位置づけはどのようなものですか

今永:私たちの学科は座学と実践を交互に体験する設計にしていることは先ほど述べましたが、なかでも重視しているのがインターンシップです。インターンシップは学校を出て、実際に働くことを体験できる場です。座学で学んだこととインターンシップ経験を繰り返し、段階的に実施することで学んだ知識がより使える知識となります。そこでインターンシップ実習は「20単位」を用意しました。

-20単位もですか?それは多いですね

今永:学生は1年生の時に基礎的なことを学びますが、2年生の夏休みに最初の10日間のインターンシップを経験します。そして、3年生の前期に約3ヶ月間の長期インターンシップへと続きます。2年生の10日間も長期と言えるかもしれませんが、3年生の3カ月間は企業においては四半期という時間です。この長期の時間を企業で過ごすことで、大学で学んだ知識を生かして、より実践的な実習を経験できるようにしています。さらにそれ以外にも、実務家教員や実務者が担う学外ではなく学内で実践的な学習をする「実習」科目が組み込まれ、全体の3分の1は実習科目になります。このようなことが実現できるのが専門職大学の枠組みの大きな特徴であります。

-2年生と3年生のインターンシップの違いはなんでしょうか

今永:まず、2年生は夏休みに実施します。大学での学びを中心に、授業で学んだことを長期休暇中に集中して体験し、参加前にキャリアデザインの授業で事前学習を兼ね、後期の授業では、別の実習科目でフォローします。多くの学生にとっては初めてのインターンシップになりますので、まずは企業で働くことと、その中でどんな技術・技能が求められるかということを理解してもらいたいと思っています。
しかし、3年生は違って、本来であれば大学内で学ぶ時間にほぼ全て外へ出ることになります。これは送り出す側も受け入れる側も、そして学生も大変なものです。ここでは3ヶ月間と言う長期の時間を体験します。ただ、体験するだけではなくて、学んだ専門的な知識である経営に関する内容やデジタルデータに関連する内容を活用して、実践経験を積むことが特徴になります。インターンシップの内容と座学で学んできたことを整合させることができる点も大きな特徴になります。そして、3ヶ月の間で、社会人が実際にどのように働いているのか、そして仕事とはどういったもので、どのような生活習慣なのかといったことも理解できます。頭ではなく体で実感できる点に大きな特徴があります(※コロナ禍にあってオンラインで業務を実施する企業もある)。専門的なスキルを生かして技術・技能を高めることと、座学の知識を活用し、さらに体験を踏まえて学び続けるようになることに特徴があります。

資料:名古屋産業大学より

-学生を長期間送り出すことに不安を持つ大学は多いです

今永:そうですね。学生を送り出す大学には責任がありますので、マナーや、礼儀作法、報連相などがきちんとできる状態で、つまり人間力・常識を有した状態で送り出したいと思っているところは多いでしょう。しかも、長期となると期間が長い分だけ、様々なリスクも想定されます。そのようなこともあり、一般的には、3年生からのインターンシップがよく行われているのだと思います。
一方で、教育の点からは早期の段階から社会や働くことを体験することは大切です。ここにインターンシップを実施する難しさがあり、大学側のジレンマもあります。しかし、そこは体系的な教育カリキュラムと、指導方法を確立し、企業側と連携するなど、教員が事前・最中・事後と調整することで乗り越えることが可能になります。

(今永典秀/名古屋産業大学現代ビジネス学部経営専門職学科准教授、地域連携センター長)

-受け入れ先はどのように開拓されたのですか

今永:現在までに約50の法人にご協力頂けることが決まっていますが(2021年4月現在)、これまでにつながりのあった企業や組織をはじめ、私たちの養成する人材像や、教育カリキュラムに共感して協力していただけるところがほとんどです。日本初の経営専門職学科とは何を目的に立ち上がったのか、これからの時代に必要な人材を養成するために、産業界の皆様と一緒に実現する以外に方法はないことや、具体的にどのように実現していくのか、私たち(私)の覚悟はあるのか、それらをひとつひとつ丁寧に説明して、積み上げて行きました。どぶ板営業のようなことを実践して、協力を得ることができました。
また、教員個人との信頼関係も大切です。組織を超えた個の繋がりがきっかけで、組織を説得して受け入れを決めてくれた企業も多くあります。

-「NAGOYA×FOREVER」のつながりも活きているのでしょうか

今永:そうですね。愛知県は中部地方に位置し、政令市の名古屋市は日本を代表する都市の一つです。市の人口は約230万人と多いのですが、意外に思われることもありますが横のつながりがしっかりとある地域です。私は愛知県に生まれてここで育ちましたが、小さな頃からのつながりがありますし、名古屋大学時代の就活サポーターという団体の代表を担い、OBになってからもボランティアで貢献していました。その繋がりや、「NAGOYA×FOREVER」を設立して、小さな活動でありながらにコツコツと企画を実施し約10年になりますが、様々な人とのつながりが生まれました。大変ありがたいことに、「今永が言うならば応援してあげようか」とご縁をいただける方がたくさんいます。
もちろん、皆さんこの地域が大好きで、地域を若者と一緒に盛り上げて、もっとよくしたいと思っている人たちばかりなので、私の挑戦がこの延長線上にあり、一緒にもっと盛り上げたいという熱い気持ちがどんどんと繋がって派生していった印象です。

※1:「NAGOYA×FOREVER」=ボランティアで社会人と学生が協働する団体。「名古屋を盛り上げる」をミッションに会社や学校でもないサードプレイスとして学生と社会人が集い、対話の場やアイデアソンや交流会を実施している。2012年に今永さんを含む数名が企業などに属しながらボランティアの活動として立ち上げ、継続して活動している。

-お話しを聞いていると地域創生に共通するものがありますね

今永:そうかもしれません(笑) 地域を元気にするには「よそ者」「若者」「ばか者」が大切という言葉も使われます。これまでにない新しいことをするので、イノベーションを生むために必要な3つの要素だと。私は「よそ者」ではありませんが、最初に務めた信託銀行では東京勤務になって愛知県を離れて暮らした経験があります。そのことで郷土愛がより高まったのですが、よく愛知県・名古屋市は閉鎖的・保守的な風土である地域と言われますが、世の中・社会を少しでもよくするために、正しいことを正しく主張し、行動したいと思い、行動するようになってきました。
普通のサラリーマンだと、若手ではなく中堅・中年のおじさんですが、大学教員としては「若者」になるするようですし、地域・企業と一緒に、若者とタッグを組んで社会変革に望むのは、普通に研究だけに拘る大学教員や、組織以外と接点のない多くの社会人の人から見ると、一見、常識破りな無謀な挑戦者、「ばか者」に該当するかもしれませんね (笑)。しかしながら、挑戦しない限り実現することはなく、やり続ければ、必ず実現できると信じて実践し続けています。地域をもっとよくしよう、そのためには未来を担う若者を関係するみんなで育てて、地域の未来を作ろう。そうした思いを純粋な気持ちで発信し、行動し続けることが大切だと思っています。

(聞き手:Mirai Ship PROJECT 主宰 眞野目悠太)

※次回「これからのインターンシップ」へ続く

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