インターンシップの定義や要件については、現状に合っていないとの指摘がなされている。しかし、経団連と国公私立大学の代表者によって構成される「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は4月、『ポスト・コロナを見据えた新たな大学教育と産学連携の推進』を公表。その中に新たなインターンシップの定義と要件を記載した。
まず、これまでにインターンシップとして行われてきた活動をベースに4つのタイプに類型化。各々の対象や主たる目的を整理している。
このように4つを明示したうえで、タイプ1とタイプ2はインターンシップに当てはまらないとしている。
では、どのようなインターンシップがインターンシップと言えるのか。
それはタイプ3とタイプ4であり、学生と大学・企業の目的から以下のように明記されている。
■学生■
・その仕事に就く能力が自らに備わっているか見極める(タイプ3)
・自らの専門性を実践で活かし向上させる(タイプ4)
■大学・企業■
・マッチング精度向上/採用選考を視野に入れた評価材料の取得(タイプ3)
・今後拡大が見込まれるジョブ型採用を見据えた産学連携の大学院教育 (タイプ4)」
これによって、大人数を対象とした会社説明会や職場見学会はインターンシップではなくなるのをはじめ、職業観を考えるガイダンスや、学生が仕事に就く能力が備わっているかを見極めることを目的とはしないPBL教育などもインターンシップに当てはまらなくなる。
このようにインターンシップが目まぐるしく変化する世の中とともに大きく形を変えていくように感じる。
この報告に準え、新しいインターンシップを実施するのであれば、大学と企業の双方が調整するだけではなく、学生の意見や希望に合った機会も改めて考える必要がありそうだ。
また、企業・業界・仕事を具体的に知る、自らのキャリア(職業観・就業観)を考えることから、その仕事に就く能力が自らに備わっているか見極めることに移行する前段階に、そのための準備をする機会も合わせて提供することが重要ではないかと思う。
枝野 友香(YUKA EDANO)/キャリアディレクター
TOiRO株式会社
北九州市立大学文学部比較文化学科卒業/兵庫県出身