コラム

大学の授業とは違うオンラインインターンシップの設計が必要(コラム:野村尚克)

今週から8月に入って学生たちは夏休みに入った。

昨年はコロナが拡がり、急きょ授業の停止や前期のスタートを遅らせた大学は多く、その影響で夏休みのスタートが遅れたり、夏休みそのものを短くする大学も現れた。

しかし、今年は4月から予定通りに行われて前期は終了。8月からは予定通りに夏休みが始まっている。

そうしたなか、サマーインターンシップに参加する学生がみられるようになったが、なかには授業とインターンシップの切り替えができていない学生が目に付く。

大学の授業は現在もオンラインで行っているところがあり、オンラインと対面のハイブリットを行っている大学も多く存在する。

そのようななか、学生は昨年と今年の授業でオンラインを体験しているのだが、その多くは自宅からPCを使って参加している。

これは「生活の場所=自宅」、と、「学ぶ場所=教室」が一つになったということであり、そこに気持ちの切り替えができない大きな原因が存在している。

現在、行われているインターンシップを調べると、昨年から増えたオンライン形式を踏襲しているものが多くみられる。

しかし、参加している学生は、前期の授業に自宅から参加しており、インターンシップについても同じ環境から参加しているということを企業の担当者はあまり深く考えていない。

これでは、「授業」と「インターンシップ」の切り替えは学生の意識に委ねられることになるが、まだ成人としてのスキルを身につけていない学生がそれを上手にやることは困難である。

そこで、オンラインインターンシップを行う企業は、まずは大学で行われている授業がオンラインで行われていることを理解し、その上で授業とは違う自社のインターンシップを設計することが必要になる。

しかし、これをやろうと思っても、過去から現在まで、企業は自社のインターンシップのことだけを考える傾向があり、大学の授業についてはあまり関心を示してこなかった。

この機会にまずは大学の授業を理解し、学生の目線から考えた学びの場である「授業+インターンシップ」を設計することが必要ではないだろうか。


野村尚克/プログラム開発室 室長
ミライシップ プログラム開発室 室長
立教大学大学院修了、筑波大学大学院退学/北海道出身

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