前編では2018年4月に新しく立ち上がったメディア学部の特長や社会連携プログラム、そしてインターンシップの位置づけなどをお話し頂いたが、続いてキャリアセンターのインターンシップや今後のインターンシップについて聞いた。(聞き手:Mirai Ship PROJECT 主宰 眞野目悠太)
-昨年はコロナ過ということもあって、オンラインでのインターンシップを実施しましたが、設計はたいへんで、でも私たち自身も学ぶことが多くありました。
牛山:昨年は大学の授業も急きょオンラインになり、インターンシップの実施についても危ぶまれました。それは大学が手がけるからには、学生の安全についてもしっかりと確保しなければならないからです。また、オンラインによる学習効果についても未知数で、はたしてオンラインでもリアルと同しような学習になるのだろうかと心配でした。そこで、MiraiShipさんにご相談して、オンラインでのインターンシップを実施しましたが、学生の評価はとても高くて安心しました。
-メディアを学ぶ学生なので、実際に映像を創る制作会社とマッチングを行いましたが、その際に注意したのは成長とリアリティです。そこで実際に映像を制作したい企業の課題を題材にしましたが、学生たちが提案する企画は素晴らしくて、実際に映像化もしたいと制作会社からも言われました。
牛山:10日間コースの学生の方ですね。MiraiShipさんには5日間と10日間の2つのコースをご用意頂きましたが、企画のプロデュースを体験したい学生は5日間の方を、企画と映像制作の2つを体験したい学生は10日間の方を選択してもらってほぼ同数に分かれました。それは学部の特長でもある3つの分野の展開科目が影響しているからだと思います。先ほども少しお話ししましたが、メディア学部では学生が興味のある分野を選択するのですが、2年次以降から3つの分野「メディアと社会・文化分野」「メディアと産業・消費分野」「メディアと表現・技術分野」から1つ選択するようになっています。
5日間の企画プロデュースコースへ参加した学生は主に「メディアと社会・文化分野」「メディアと産業・消費分野」を、10日間の企画と映像制作コースへ参加した学生は主に「メディアと表現・技術分野」を選択しています。学生の興味に合わせてコースを選び、そしてインターンシップを経験する。このように大学の学びとインターンシップを接続させた教育は私たちの目指しているところでもあります。
-そのように参加者が上手に分かれたこともあって今年もほぼ同じ内容にし、しかし、10日間の方ではかなり映像制作に注力した内容にしました。
牛山:今回は5日間と10日間を同じチームにしてくださり、5日間の学生は企画の提案で終了。10日間の学生はその後にその企画をベースにして映像制作を行っていましたね。実際に映像制作会社へ行って撮影できたことは学生にとってリアルな体験だったでしょうし、また働く現場を見ることができたことも良い経験になったと思います。
(10日間の学生が制作した映像の一部)
-ところで、今年度からはキャリアセンターさんのインターンシップもプロデュースさせて頂くようになりました
牛山:一昨年からメディア学部のインターンシップをMiraiShipさんに受け入れて頂いておりますが、キャリアセンターの方でもこれまで主に低学年向けのインターンシップを実施してきました。コロナ禍でリアルのインターンを行うことができなくなり、MiraiShipさんに相談したことで、全学部生を対象とした「社会を知る」ためのオンラインインターンシップを実現できることになり、とても嬉しく思っています。
-メディア学部さんはメディアを学ぶ学生を対象としていますが、キャリアセンターさんは大学で学ぶ全ての学生を対象としているので、インターンシップの位置づけが少し違いますね。しかも、キャリアセンターさんの方から参加した学生は2年生が多かったです。
牛山:キャリアセンターが主催するインターンシップには、毎年、メディア学部だけでなく、経営学部、社会学部、人間学部、外国語学部など、様々な学生が参加しています。私は学務副部長(進路担当)として、キャリアセンターにおける進路支援にも取り組んでいますが、キャリアセンターでは「困ったときのキャリアセンター」になるように、職員とカウンセラーが一体となって、進路支援など、学生のサポートを親身になって行っています。インターンシップは大学と外の企業などが一緒になって行うものですが、学内でも学部とキャリアセンターが連携することでより良い進路支援につながります。それぞれの特長を活かしたサポートを学生へ行っていますが、両方をご理解いただけるMiraiShipさんのような人たちはとても助かります。
-そうですね。様々な特長を持つ組織が連携することが良いインターンシップの実現に繋がりますね。牛山先生は今後のインターンシップはどのようになっていくと思いますか?
牛山:昨年度からインターンシップをオンラインで行う機会が増えました。これまで参加をためらっていた学生も良い意味で気軽に飛び込めるようになり、インターンシップはますます拡大していくと思います。そのような中で、質の高いインターンシップの企画設計が今まで以上に問われていくと思います。そこにおいては、学生、企業、第三者機関が連携することがとても重要になると思います。
-一緒に取り組んだインターンシップが日本インターンシップ学会から「秀逸な事例」として表彰されましたが、あれはまさに牛山先生と私たちが一緒になって、良いインターンシップとは何か?について考えて進めてきたことが評価されたのだと感じています。今後もあのような取り組みが増えれば、良いインターンシップはもっともっと増えるのではと思っています。
牛山:そうですね。今回の受賞理由は、大学と企業の協力関係、学生の満足度の高さ、具体的な根拠に基づいた目標設計などによるものでした。企業と大学の橋渡しを行ってくださった第三者機関であるMiraishipさんの力がとても大きかったと思います。メディア学部としても今後もMiraiship
さんとの連携を進めていきたいですし、また、このような取り組みがますます多くの大学に広がることを期待しています。