大学経由のインターンシップを実施することに対する大学教職員への負荷が問題の一つとなっている。
インターンシップの意義は、学生のキャリアに繋がる就業体験である。
しかし、このような体験は場を用意するだけでは実現できない。学生にとってよい機会にしようとすればするほど労力はかかる。
例えば、学生に選択肢を与えるための受け入れ先企業の開拓、心得やマナーなどの事前研修、学びを振り返り次への活かし方を考える事後研修などの実施などである。
企業開拓においては、どのような受け入れ体制でどのような内容なのかといったすり合わせや把握をしなければ、参加した学生から「無給のアルバイトと変わらなかった」「質問しても誰も答えてくれなかった」などの、インターンシップに対して後ろ向きになるような機会になってしまうリスクもある。
教職員の負荷を軽減しながらも受け入れ先企業数を充実させたり、事前事後研修をうまく活用し、インターンシップでの経験の質をあげる取り組みなどに成功している事例は存在する。
まずはそういった成功事例の共有から、大学経由のインターンシップの一つの課題が解決されていくのではないだろうか。
枝野 友香(YUKA EDANO)/キャリアディレクター
TOiRO株式会社
北九州市立大学文学部比較文化学科卒業/兵庫県出身